大原孝治のドンキホーテが徹底する充実した品揃え

少子高齢化が進む日本では、昔と比べると内需の落ち込みが進む可能性があります。それを補填するように、海外からの観光客を呼び込み、日本で商品を購入してもらうことで経済を回すインバウンドに期待していましたが、そのインバウンド効果も少しずつ薄れています。爆買い現象が落ち着いて、観光客はショッピングよりも観光に重きを置くようになったからです。そこでこれから小売業としては、インバウンド効果に頼るのではなく、内需を拡大させることが重要になっています。
ドンキホーテ社長の大原孝治氏は、内需が落ち込んでいると言われる一方で、人々は欲しいものには惜しみなくお金を出すという傾向が強くなっていると考えています。消費者も賢くなっており、安物買いの銭失いをする人は減っていて、本当に欲しいものであれば高くても購入するようになっています。

そこで大原孝治氏は、それなら欲しいと考えてもらえるような魅力的な商品を店内に陳列すべきであり、それが顧客のためになるお店だと確信しています。そのような魅力的な店づくりをするためには、徹底したリサーチが必要になります。売り上げのデータから人気商品を読み解くのではなく、SNSなどで話題になっていて、これから需要が高まるものを一早く仕入れることが重要なのです。特にSNSを頻繁に活用する若い人の間では、今まで見向きもされなかった商品が、SNSで話題になったことで在庫切れになるほど人気商品になったものが少なくありません。それらの商品を早く察知して、いつでもドンキホーテを訪れたら手に入れられるような環境を作ることが大事です。